平成28年度第2回SSH講演会

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  平成28年度第2回SSH講演会を,平成28年9月14日(水)に開催しました。
一般社団法人 共同通信社 編集委員室次長 石井 勇人 様に御来校いただき,「グローバル化時代の農業の課題」という演題で御講演いただきました。
     

 まず,「共同通信社」で活躍されている御自身の紹介から始まり,「国際化」と「グローバル化」の違いについてお話いただきました。「国際化」というのは国境を意識するのに対し,「グローバル化」の方は国境の意識がなくなってくるという違いがあるということでした。例えば,先進国の中にも貧しい状況が見られたり,どこの国の空港でも「空港」のイメージは変わらないといったこと等は,グローバル化の現象の一つだそうです。また,「食料自給率」や「食料転換率」について説明していただき,農業のさまざまなスタイルについて写真とともに紹介していただきました。
 さらに,農業を守り育てるため方法として,「儲からない分,お金を配る」,「高い関税をかける等輸入品の流入をせき止める」,「自国に有利なルールをつくる」という3つの方法があり,これからは,ルールで勝負する時代だと言われていました。
 最近,余った米を餌米にしようという考え方も出ていますが,日本は「畜産」と「耕種農業」が分離されているということでした。アメリカの有機農業の例のように,家畜と食物生産は強く結びつくもので,家畜の飼育は糞尿を堆肥に利用する以外にも,いざという時に食用にもなり,家畜は生きた財産という考え方に立つと,今後は日本でも,「有畜複合」について模索していく必要があるのではないかというお話もしていただきました。日本には「クール宅急便」があるが,多くの国にはそのような流通システムはありません。これは日本の強みであり,作ったものをどのように消費者に届けるかということを考えることも大切だと言われました。グローバル化していくと個性や多様性がなくなっていくおそれも出てくるということでした。「持続可能性」を視野に入れ,何を守り何を選んでいくか自分で考え,大事だと思うものを心の中に育てていく必要があると言われていました。